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ブログ : コンセプト・その他: 2014年6月

歯科医院で使う治療の水が清潔だと思っていませんか?      片瀬 あらやしき歯科

案外知られていないことですが、病院で使われている治療水が雑菌だらけという驚くべき調査結果があります。歯科で使われる診療台の給水管の汚染は、1960年代から報告され、1990年代には、歯科ユニットの給水管内に形成される『バイオフィルムによる汚染』が問題視されるようになりました。口内洗浄装置(うがい水)や切削装置から出てくる水(タービン水)が、大量の細菌で汚染されていることが東京医科歯科大学大学院の荒木孝二助教授らの調査で判明したのです。

日本の一般的な歯科医院で歯を削ったり洗浄したりする際に使う水に含まれる細菌数は、アメリカ歯科医師会(ADA)の基準に比べ、約100から2500倍もの細菌がうようよしていることが分かりました。従属栄養細菌は、人体に病原性を持つ細菌ではありませんが、免疫力の低下した人には影響が出る可能性(日和見感染)も指摘されています。いくら細菌学的に問題ないといっても、歯の治療にはできるだけきれいな水を使ったほうがいいのは当然ですよね?(イタリアでは歯科治療水からレジオネラ感染症による死亡報告があります)

治療に使われる水は、水道管から診療台に付属しているパイプやホースを介して出てきます。塩素が大量にあって、常に流れている水道水では繋殖しませんが、診療台の水はライン内で滞留している時間が長いために中で細菌が増えて汚染されるのです。休診日の翌朝なんて最悪です。大げさではなく、ぬめりの付いた風呂桶にたまった水を飲んでいるようなものなのです。
フラッシングだけではほとんど意味がありません。

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水消毒システムを備えた、KaVo社の診療台を当院では導入しています。KaVoの診療台には、タービン水やうがい水に低濃度の過酸化水素水が用いられていて、常に給水チューブ内を清潔に保つ水消毒の機能(常時水消毒機能)があります。また、休診日前に高濃度の過酸化水素水で漬け置き処理する集中水消毒システムも合わせて装備されていますので、いつもきれいな水で治療できるよう、診療時と休診時ともに二重の対策がとられています。

内部構造も中を流れる水の行き止まりがなく、常に流動的でたまり水にならないように設計されています。
細菌の繁殖とバイオフィルムの形成を抑えるには、継続的な過酸化水素水の利用が効果的とされているので、特に常時水消毒の機能は有効です。

KaVoの水消毒は、常に清潔で安全・安心な治療環境を提供してくれます。
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