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はずさなくてもいい入れ歯 。ドイツ式入れ歯[テレスコープ義歯]のすべて。特徴やメリット・デメリット・費用を徹底解説
入れ歯(義歯)の種類には、従来の入れ歯の概念を覆す「テレスコープ義歯」、通称「ドイツ式入れ歯」があります。今回は、ドイツで長年培われてきたテレスコープ義歯の具体的な特徴やメリット・デメリット・費用について詳しく紹介します。入れ歯になってもしっかり噛んで、美味しく食事ができるよう、あなたに合った入れ歯選びの参考にしてください。
テレスコープシステムは、日本の一般的な入れ歯に使われるバネの代わりに、残っている歯にぴったりと嵌め込む二重冠構造を採用したハメ込み式の入れ歯です。このシステムは、ドイツで生まれ、長年の改良を重ねてきました。そのため、一度作ると長持ちし、口の中の変化に合わせて修理しながら、快適に使い続けることができます。 硬い食品を好むドイツの食文化の中で、130年以上の歴史を持つテレスコープシステムは、特定の歯に負担をかけずにしっかりと固定できる、非常に精密な入れ歯として定着しています。
ぴったりとフィットすることで高い固定力と違和感のない装着が特徴があり、従来の入れ歯に比べ長く快適に使用することができます。

テレスコープ義歯の発展と歴史 テレスコープ義歯は、1886年から始まり、実に130年以上の歴史があります。 1886年にR.W.Starrがブリッジの装置として、また1889年にPecsoによってテレスコープを使用したブリッジが考案されています。 その後、現在のような精密なテレスコープ・システムの方法が、1929年にHäuplとReich-born-Kjenerudによって発表されています。 さらにその語、長い間改良されて、さまざまな欠点を補う方法として1968年K.H.Körberが、コーヌスクローネと名付け、発表しました。
テレスコープ義歯には、いくつかの種類があります。費用はお口の状態により異なるため患者様によって金額が異なります。それぞれの費用の目安は次のとおりです。
・リーゲルテレスコープ:120万円〜
・レジリエンツテレスコープ:120万円〜
・コーヌステレスコープ:150万円〜

テレスコープ義歯は、全般的に入れ歯を支える歯に内冠を取り付け、入れ歯に外冠が組み込まれている構造になっています。 ここでは全てのテレスコープ義歯に共通するメリットを解説します。
テレスコープ義歯は、ブリッジと異なり、取り外しが可能です。取り外して清掃をすることができるので、手入れがしやすいです。口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを低減します。
歯の内側で固定できる方式のため、固定効果で歯への負担が非常に少ないです。残っている歯を大切に守り、健康な状態を維持することができます。
違和感がなく、快適な装着感で夜寝る時も外す必要がありません。食事や会話、日常生活において、入れ歯であることを意識させない自然さを感じます。
し残存歯を失ってしまっても、テレスコープ義歯は修理や増歯によって使い続けることが可能です。これにより、作り直しの費用や負担を抑えることができます。

テレスコープ義歯は多くのメリットを持つ一方で、検討すべきいくつかのデメリットも存在します。
テレスコープ義歯綿密なカウンセリングや検査、精密な設計と製作が必要なため、完成までに一定の期間を要します。

テレスコープ義歯は、主に3つの種類があります。 特徴などを詳しく解説していきます。
全国で最も行われている方法で、コーヌスクローネとも呼びます。義歯を支える歯に内冠を装着し、義歯に外冠を取り付けて、茶筒のような要領で義歯を維持安定させます。
・リーゲルテレスコープ
内冠と外冠があるつくりで、義歯に小さな鍵が組み込まれています。鍵を開けると、義歯を外すことができます。会話や食事で義歯が外れることはありません。
・レジリレンツテレスコープ
残っている歯が3本以下の方や、残っている歯の状態が悪く他のテレスコープ義歯が適用できない場合に行います。 入れ歯本体は総入れ歯と同じように粘膜に吸着して固定させます。残っている歯を抜かずに利用することができます。

テレスコープ義歯の寿命は、内冠を装着した歯の寿命と、外冠の組み込まれたテレスコープ義歯本体の寿命に分けて考えることができます。 内冠を装着した歯の10年生存率は約90%と高く、きちんとケアをして使用していれば、10年以上はもつという事がわかります。

テレスコープ義歯は、日々のメンテナンスをしっかり行い、適切に修理をしながら利用することで、かなり長く使い続けることが可能です。
内冠を装着している歯が使えなくなってしまった場合でも、修理をすることで、同じ義歯を使い続けることができます。
義歯に問題がないかをチェックし、ご自身の内冠を装着している歯の周囲等を丁寧にクリーニングしていきます。
自費のクリーニングの場合は、5,000円〜1万円程度が相場です。
修理が必要になった場合、修理の内容によって費用や修理期間は大きく変わりますが、数万円程度です。修理期間は、簡単なものであれば1〜2時間、預かりのものは1週間~2週間程度です。ケースによって大きく異なるので、都度確認が必要です。
少しでも気になる方は是非一度ご相談ください。
嶋倉史剛
◆経歴
2000年 明海大学歯学部 卒業
2000年~2006年 明海大学病院歯周病科 勤務
2012年9月 あらやしき歯科医院 開業
◆所属・資格
IPSG包括歯科医療研究会 副会長
日本嚥下機能訓練協会 理事
明海大学歯周病学分野同門会
日本総合口腔医療学会 口腔総合医認定医 常任理事
オーラルビューティーフード協会 理事
日本医歯薬専門学校非常勤講師
日本顎咬合学会 かみ合わせ認定医
目次
ドイツ式入れ歯「テレスコープ義歯」とは?その特徴と仕組み
テレスコープ義歯の歴史と精密な技術
テレスコープ義歯の費用と保険適用について
テレスコープ義歯の7つの大きなメリット
知っておきたい!テレスコープ義歯のデメリットと注意点
テレスコープ義歯の主な種類とそれぞれの特徴
テレスコープ義歯の寿命と高い耐久性
テレスコープ義歯の正しいメンテナンスと修理方法
まとめ
テレスコープ義歯の歴史と精密な技術
テレスコープ義歯の費用と保険適用について
テレスコープ義歯の7つの大きなメリット
知っておきたい!テレスコープ義歯のデメリットと注意点
テレスコープ義歯の主な種類とそれぞれの特徴
テレスコープ義歯の寿命と高い耐久性
テレスコープ義歯の正しいメンテナンスと修理方法
まとめ
テレスコープ義歯の特徴

ドイツ式入れ歯テレスコープ義歯とは?
テレスコープシステムは、日本の一般的な入れ歯に使われるバネの代わりに、残っている歯にぴったりと嵌め込む二重冠構造を採用したハメ込み式の入れ歯です。このシステムは、ドイツで生まれ、長年の改良を重ねてきました。そのため、一度作ると長持ちし、口の中の変化に合わせて修理しながら、快適に使い続けることができます。 硬い食品を好むドイツの食文化の中で、130年以上の歴史を持つテレスコープシステムは、特定の歯に負担をかけずにしっかりと固定できる、非常に精密な入れ歯として定着しています。テレスコープ義歯の仕組み
テレスコープシステムは、残っている歯に被せる「内冠」と、入れ歯本体に当たる「外冠」という2つのパーツで構成されています。内冠は歯の根元にぴったりとフィットするように作られ、外冠は内冠にピッタリとはめ込むように作られています。この2つのパーツが telescope(望遠鏡)のようにぴったりと嵌まることから、この名前が付けられました。ぴったりとフィットすることで高い固定力と違和感のない装着が特徴があり、従来の入れ歯に比べ長く快適に使用することができます。
テレスコープ義歯の歴史と精密な技術

テレスコープ義歯の発展と歴史 テレスコープ義歯は、1886年から始まり、実に130年以上の歴史があります。 1886年にR.W.Starrがブリッジの装置として、また1889年にPecsoによってテレスコープを使用したブリッジが考案されています。 その後、現在のような精密なテレスコープ・システムの方法が、1929年にHäuplとReich-born-Kjenerudによって発表されています。 さらにその語、長い間改良されて、さまざまな欠点を補う方法として1968年K.H.Körberが、コーヌスクローネと名付け、発表しました。
テレスコープ義歯の費用

費用に関する詳細
テレスコープ義歯には、いくつかの種類があります。費用はお口の状態により異なるため患者様によって金額が異なります。それぞれの費用の目安は次のとおりです。・リーゲルテレスコープ:120万円〜
・レジリエンツテレスコープ:120万円〜
・コーヌステレスコープ:150万円〜
保険適用の可能性
テレスコープ義歯は、自費治療になります。将来的にも保険適用になる可能性は低いと言えます。 健康保険は、必要最低限の治療が対象となります。高齢者では負担額が異なりますが、多くの方で、全体の3割の自己負担で治療を受けることができます。 治療方法や手順、治療の使う材料に細かいルールがあり、決められたルール以外の治療を行うことはできません。テレスコープ義歯の7つの大きなメリット

テレスコープ義歯は、全般的に入れ歯を支える歯に内冠を取り付け、入れ歯に外冠が組み込まれている構造になっています。 ここでは全てのテレスコープ義歯に共通するメリットを解説します。
自然な見た目
歯列が非常に美しく見えるので、従来からある入れ歯のように明らかに入れ歯だという印象にはなりません。また保険の入れ歯のように金属のバネ(クラスプ)が目立つこともありません。
取り外し可能で手入れがしやすい
テレスコープ義歯は、ブリッジと異なり、取り外しが可能です。取り外して清掃をすることができるので、手入れがしやすいです。口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを低減します。高い固定力
食事中や会話中に外れてしまう危険がほとんどありません。まるで自分の歯のような安定感で、硬いものも臆することなく噛めます。耐久性
交換が必要な従来の部分入れ歯に対して、修理しながら長期間でも使用可能です。適切なケアとメンテナンスを行えば、20年、30年以上使い続けることも可能です。
歯の負担がほぼない
歯の内側で固定できる方式のため、固定効果で歯への負担が非常に少ないです。残っている歯を大切に守り、健康な状態を維持することができます。
快適な装着感
違和感がなく、快適な装着感で夜寝る時も外す必要がありません。食事や会話、日常生活において、入れ歯であることを意識させない自然さを感じます。
将来的な修理・増歯がしやすい
し残存歯を失ってしまっても、テレスコープ義歯は修理や増歯によって使い続けることが可能です。これにより、作り直しの費用や負担を抑えることができます。知っておきたい!テレスコープ義歯のデメリットと注意点

テレスコープ義歯は多くのメリットを持つ一方で、検討すべきいくつかのデメリットも存在します。
保険用入れ歯よりは費用が高額
テレスコープ義歯は保険適用外の自費診療となるため、従来の保険適用入れ歯と比較して費用が高額になります。これは、製作に高度な技術と精密な工程が必要となるためです。
制作に時間がかかる
テレスコープ義歯綿密なカウンセリングや検査、精密な設計と製作が必要なため、完成までに一定の期間を要します。高度な技術と経験が必要
テレスコープ義歯の製作には、専門的な知識と豊富な経験を持つ歯科医師や歯科技工士が必要です。どの歯科医院でも対応できるわけではないため、歯科医院選びが重要になります。適用できないケースもある
残存歯の状態や本数によっては、テレスコープ義歯が適用できない場合があります。事前の精密な検査と診断が不可欠です。テレスコープ義歯の主な種類とそれぞれの特徴

テレスコープ義歯は、主に3つの種類があります。 特徴などを詳しく解説していきます。
主なテレスコープ義歯の分類
・コーヌステレスコープ全国で最も行われている方法で、コーヌスクローネとも呼びます。義歯を支える歯に内冠を装着し、義歯に外冠を取り付けて、茶筒のような要領で義歯を維持安定させます。
・リーゲルテレスコープ
内冠と外冠があるつくりで、義歯に小さな鍵が組み込まれています。鍵を開けると、義歯を外すことができます。会話や食事で義歯が外れることはありません。
・レジリレンツテレスコープ
残っている歯が3本以下の方や、残っている歯の状態が悪く他のテレスコープ義歯が適用できない場合に行います。 入れ歯本体は総入れ歯と同じように粘膜に吸着して固定させます。残っている歯を抜かずに利用することができます。
コーヌステレスコープの特徴
コーヌステレスコープとは、精密に作られた金属の冠を、自分の歯と入れ歯の両方に被せることで、まるでぴったりと嵌め合わさった茶筒のように、入れ歯をしっかりと固定することができる入れ歯です。 高い密閉性により、入れ歯が全くズレないため、まるで自分の歯のように、しっかりと噛むことができます。また、バネや金属が目立たないため、見た目が自然で美しいです。 お手入れが簡単なことも特徴です。しかし、土台となる歯の状態によっては、治療ができない場合もあります。熟練の歯科医師による精密な設計と丁寧な調整が必要なため、高度な技術を要する入れ歯です。リーゲルテレスコープの特徴
リーゲルテレスコープは、ドイツ語で「閂(かんぬき)」を意味する言葉に由来しています。この入れ歯は、まるで鍵と鍵穴のように、歯と入れ歯をしっかりと固定する仕組みが特徴です。 土台となる歯には、鍵穴のような形状の冠をかぶせます。一方、入れ歯には鍵の役割を果たすレバーが組み込まれています。このレバーを開け閉めすることで、入れ歯を歯に固定したり、簡単に取り外したりできます。 鍵と鍵穴でしっかりと固定されるため、入れ歯が全く動きません。これにより、まるで自分の歯のように、しっかりと食事を楽しむことができます。 しかし、鍵を開ければ、抵抗感なくスムーズに取り外せるため、歯に負担をかける心配もありません。適切なケアを行うことで、20年以上も長持ちし、経済的にもメリットが大きい入れ歯です。レジリレンツテレスコープの特徴
レジリエンツテレスコープは、歯がほとんど残っていない、あるいは残っている歯の状態が悪く、総入れ歯を勧められてしまった方でも、ご自身の歯をできるだけ長く残し、入れ歯を安定させることができる義歯です。 入れ歯が安定しない大きな原因の一つに、横方向からの力に弱いという点があります。横ずれを起こすと、外れやすくなるだけでなく、歯ぐきを傷つけ痛みを引き起こす可能性も高まります。 レジリエンツテレスコープ義歯は、総義歯に近い状態でも、自分の歯を利用することによって、入れ歯の横ずれを防止して、安定させることが可能です。 大事な残り少ない歯でも、かなり頼りなくなってしまった歯でも、最大限に活用して、外れにくく、痛くならないで、しっかり噛める入れ歯です。テレスコープ義歯の寿命と高い耐久性

テレスコープ義歯の寿命は、内冠を装着した歯の寿命と、外冠の組み込まれたテレスコープ義歯本体の寿命に分けて考えることができます。 内冠を装着した歯の10年生存率は約90%と高く、きちんとケアをして使用していれば、10年以上はもつという事がわかります。
テレスコープ義歯の耐久性
テレスコープ義歯本体は、非常に耐久性が高いという特徴があります。10年〜15年はもちますし、修理が可能なので残っている歯の状態が変わることがあれば、修理をしながらもっと長く使用し続けることができます。20年〜30年使用している患者さんも多くいらっしゃいます。テテレスコープ義歯の正しいメンテナンスと修理方法

テレスコープ義歯は、日々のメンテナンスをしっかり行い、適切に修理をしながら利用することで、かなり長く使い続けることが可能です。
適切なメンテナンス方法
テレスコープ義歯は、普段はお口の中に装着しているものなので、自分の歯と同じように細菌が付着します。 義歯自体は、人工物なので虫歯にはなりませんが、汚れが多く付着していると、内冠を被せてある歯など残っているご自身の歯が悪くなってしまうことがあります。 また不衛生にしていると、口臭の原因にもなります。 義歯は、食後には必ず外して、義歯用のブラシで擦り洗いをして、洗浄剤につけるようにすると良いでしょう。内冠の装着している歯は、歯の根はご自身のものです。歯ブラシで特に根本部分をしっかりみがき、虫歯や歯周病などのトラブルを起こさないように注意しましょう。修理が必要な場合の対応
テレスコープ義歯は、人工歯、床の部分、冠、全て修理が可能です。内冠を装着している歯が使えなくなってしまった場合でも、修理をすることで、同じ義歯を使い続けることができます。
メンテナンスと修理における費用と期間
義歯に問題がない場合でも、3ヶ月〜6ヶ月に1度は、歯科医院でメンテナンスを受けていただくのがおすすめです。義歯に問題がないかをチェックし、ご自身の内冠を装着している歯の周囲等を丁寧にクリーニングしていきます。
自費のクリーニングの場合は、5,000円〜1万円程度が相場です。
修理が必要になった場合、修理の内容によって費用や修理期間は大きく変わりますが、数万円程度です。修理期間は、簡単なものであれば1〜2時間、預かりのものは1週間~2週間程度です。ケースによって大きく異なるので、都度確認が必要です。
まとめ
ここまでテレスコープ義歯について説明をしてきましたが、日本では広く知られている治療でなく、ご不明な点がある方も多いと思います。 従来の入れ歯に抵抗を持っている方には有効的な治療になります。少しでも気になる方は是非一度ご相談ください。
この記事を書いた人
◆経歴
2000年 明海大学歯学部 卒業
2000年~2006年 明海大学病院歯周病科 勤務
2012年9月 あらやしき歯科医院 開業
◆所属・資格
IPSG包括歯科医療研究会 副会長
日本嚥下機能訓練協会 理事
明海大学歯周病学分野同門会
日本総合口腔医療学会 口腔総合医認定医 常任理事
オーラルビューティーフード協会 理事
日本医歯薬専門学校非常勤講師
日本顎咬合学会 かみ合わせ認定医