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江戸時代の健康観と歯

「人は歯をもって命とする故に、歯といふ文字をよわい(齢)ともよむ也」
 
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江戸時代に貝原(かいばら)益軒(えきけん)は『日本歳時記』という書物のなかに、このように記しています。貝原益軒という人物は、健康(養生)についての指南書・実用書である『養生訓』の著者で、福岡藩の儒学者であり医者(本草学者)でした。

この「人は歯をもって命とする故に、歯といふ文字をよわい(齢)ともよむ也」という言葉の意味は、『人にとって健康に生きていくためには、歯で食べ物をよく噛むことが何より重要で、だから「齢(よわい)」という字に「歯」が使われている』ということです。
この言葉は、歯は命に直結する大切なものであることを教えてくれています。昔から「よく噛んで食べなさい!」と言われてきたと思います。よく噛んで食べるということが体に良いということは、なんとなくイメージできるのではないでしょうか?
 
どうやら江戸の昔から、よく噛んで食べる生活習慣を身に着け、それを生涯維持していくことこそ、健康長寿の秘訣のようです。
 
さらに『養生訓』では、健康の3要素は運動・栄養・休息である。とし、飲酒の仕方や喫煙の害について説き、口腔衛生の重要性を唱えています。今も昔も変わらず健康の普遍の原理・原則。だけど、今も昔も実践が難しいということでしょうか?(真の健康を手に入れ、維持するための4つの要素参照)
ちなみに、江戸時代の平均寿命は大体40歳くらいといわれています。徳川将軍15名の享年は平均51歳です。貝原益軒は85歳(1630~1714年)。この『養生訓』を出版したのが83歳。亡くなる前年の84歳まで執筆活動を続けました。『養生訓』を自ら実践し(歯のグラつきや欠損もなく)、その生き方で健康長寿を全うする術を証明しています。
 
そんな貝原益軒の有名な格言「知って行わざるは、知らずに同じ」は、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
さらには「養生の要は、自らあざむくことを戒めて、よく忍ぶにあり」とも言っています。
 
先人の言葉、知恵や教えを生かして、健康な身体で長寿を目指したいですね!


現代は、歯を失ってしまったとしてもしっかり噛めるようにすることができます

ドイツ式の特殊義歯

真の健康を手に入れ、維持するための4つの要素


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