入れ歯が合わない１２の原因

入れ歯が合わない１２の原因

入れ歯が合わない原因についてご紹介します。

入れ歯を使用している方々の中には、長期間使用しているうちに合わなくなってしまうと感じる方もいらっしゃるかもしれません。実は、入れ歯の合わなくなる原因は様々な要素によるものであり、生活習慣や体の変化によっても影響を受けることがあります。
 

そこで、この記事では入れ歯が合わなくなる主な原因について詳しく解説します。

この記事を通じて、入れ歯の合わない原因を正しく理解し、適切な対策を講じて、充実した人生を送るお手伝いができれば幸いです。さあ、入れ歯が合わない問題に向き合い、快適な口腔健康を手に入れましょう。

１.作ったばかりなのに
入れ歯が合わない原因

これまでご相談に来られた患者さまからお話しを伺う中で、作製直後から入れ歯が適合せず、不快感を感じる方がいらっしゃいます。これは、ほとんどの場合、入れ歯の製造過程での問題に起因します。では、具体的にどのような問題があるのでしょうか一緒に見ていきましょう。

最初の型取りに失敗している

入れ歯作成の最初のステップは、口腔内の型取りです。この段階でのミスは、意外にもよく発生します。患者さまが姿勢を正しく保つことが重要であり、患者さまの声の出していただくことで舌の動きを確認することもあります。口腔内の状態を正確に理解するためには、歯科医師と患者さまが協力しあうことが必須です。型取りが不完全だと、適切な入れ歯は作れません。

歯科技工士の技術不足

患者さまの口腔を診るのは歯科医師ですが、実際に入れ歯やクラウンを作るのは歯科技工士です。完成する入れ歯の品質は、技工士の技術に大きく依存しています。ただし、口腔は非常に繊細な部位で、わずか0.1ミリの違いでも違和感につながります。だからこそ、歯科技工士の仕事には高度な技術が求められるのです。

歯科医師と技工士のコミュニケーション不足

多くの歯科技工士は、直接患者さまと対話する機会は少ないです。彼らは主に、歯科医師から提供されるデータに基づいて入れ歯を製作します。もし歯科医師が患者さまの要望を伝え忘れたら、患者さまが希望する入れ歯は得られません。また、技工士が歯科医師に直接質問せずに作業を進めると、適合しない入れ歯ができる原因になります。

最終調整がされていない

どれほど精密に作られたオーダーメイドの入れ歯でも、最初から完璧なフィット感を得るのは難しい場合があります。入れ歯のフィット感を向上させるためには、最終調整が欠かせません。これは入れ歯を装着した後、患者さんの感触を確かめながら微調整を行う作業です。

最終調整を行うことで、入れ歯が口腔内にぴったりと合うように調整されます。微小な違和感や隙間を修正し、患者さまの快適な装着感を実現します。最終調整は時間と手間を要する作業ですが、これを省略することは避けるべきです。

あらやしき歯科医院では、最終調整に時間と労力を注ぎ、患者さまの入れ歯使用体験を向上させることを重視しています。入れ歯の装着後には、フィット感や違和感について患者さまとコミュニケーションを取りながら、微調整を行います。このような個別の調整が、最終的に満足のいく結果をもたらすのです。

２.入れ歯のフィット感が悪くなる原因

入れ歯を使用していると、時間の経過と共に合わなくなり、フィット感が悪くなることがあります。この問題の原因は、入れ歯そのものに関連するさまざまな要因によるものです。ここでは、入れ歯のフィット感が悪くなる主な原因を紹介します。


 

入れ歯の磨耗による問題

入れ歯を使用する際、咀嚼時には歯に相当な力がかかります。そのため、長期間使用すると入れ歯自体がすり減り、フィット感が失われることがあります。自然歯は再石灰化作用によってすり減りを防ぐことができますが、入れ歯にはこの機能がありません。0.1ミリ以下という微小な摩耗が生じた場合でも、上下の咬合に変化をもたらし、入れ歯のフィット感が悪くなることがあります。

入れ歯についた汚れの問題

食事や飲み物を摂ると、入れ歯には食べかすが付着します。入れ歯の清掃を適切に行っていても、目に見えない汚れが残ることがあります。

これにより細菌が繁殖し、歯茎の炎症などを引き起こす原因となります。軽度の充血でも歯茎が炎症を起こしている場合、入れ歯のフィット感が悪くなることがあります。

さらに、唾液中のカルシウムが入れ歯に沈着して歯石のように固まることもあります。これが入れ歯の歯茎との接触面で起きると、フィット感の低下を引き起こす可能性があります。

入れ歯の形状変化による問題

入れ歯は温度変化に強い材料で作られており、熱いものや冷たいものを摂取しても変形しにくいです。しかし、入れ歯に熱湯をかけるなどの消毒作業を行うと、変形する可能性があります。
 

また、入れ歯は常に湿った口腔内で使用することを前提としています。そのため、長期間使用しないで放置すると乾燥し、形状が変わることがあります。わずかな変形でも、入れ歯は歯茎にしっかりと密着せず、フィット感が悪くなることがあります。

入れ歯のバネの変形による問題

一部の入れ歯は、金属のバネを使用して固定されています。特に部分入れ歯では、残存歯に金具をかけて固定します。

入れ歯を使用している人の多くは、清掃のために毎日入れ歯を取り外します。金属は耐久性がありますが、毎日の取り外しにより変形する可能性があります。バネが変形すると、入れ歯の適切な固定が難しくなります。その結果、入れ歯のフィット感が悪くなることがあります。

３.入れ歯が合わない原因と体の変化

残っている歯の位置の変化

歯には常に力がかかりますが、時間の経過とともに自然な力のバランスが変化し、歯の位置も移動することがあります。部分入れ歯を長期間外したままにすると、隣接する歯の支えがなくなり、位置が変わってしまうことがあります。そのため、再度入れ歯を装着しようとしても、適切に合わなくなってしまうことがあります。

また、わずかな歯の位置の変化でも、入れ歯の装着時に違和感や痛みを感じることがあります。

 

顎の骨の形状変化

人の体は常に新陳代謝を行っています。入れ歯の基盤となる顎の骨も同様であり、古い骨が分解されつつも新しい骨が生成され、形状を保っています。しかし、年齢とともに新陳代謝が低下すると、新しい骨の生成速度が分解速度に追いつかなくなります。その結果、顎の骨が薄くなり形状が変化することがあります。
 

この変化により、入れ歯と歯茎の間に隙間が生じ、合わなくなると感じることがあります。

運動麻痺

脳卒中などの疾患により片側の麻痺が残る場合、噛むことが困難になることがあります。体は常に新陳代謝を行っていますが、刺激がなくなると代謝が低下し始めます。麻痺のある側の顎の骨も衰え、入れ歯が合わなくなることがあります。

また、下肢の麻痺により歩行が困難になると、全身の筋肉が徐々に衰え、入れ歯の保持力が低下し、外れやすくなることがあります。

 

正確の変化

年齢を重ねると、性格にも変化が現れることがあります。頑固になったり、些細なことにイライラしたりする場合があります。これは、入れ歯が合わなくなる原因の一つとされています。入れ歯に対する違和感が気になり始めると、そのことに集中してしまい、違和感や痛みを感じるようになることがあります。入れ歯の存在自体が気になり始め、適合感に影響を与えることがあるのです。

入れ歯が合わなくなる原因と対策

入れ歯が合わなくなる原因はさまざまであることが分かりました。生活習慣のわずかな変化でも、入れ歯の適合性に影響を及ぼすことがあります。場合によっては複数の要因が絡み合い、不具合を感じることもあります。

しかしどの原因に対しても、さまざまな対策が存在します。ごくわずかな改善策で、快適な入れ歯を手に入れることができます。
 

入れ歯の不適合を我慢して使用し続けるよりも、問題を解決し、快適な日常生活を送ることが重要です。治療には費用や時間がかかるかもしれませんが、それは人生において無駄ではありません。

入れ歯の悩みから解放され、美味しい食事を楽しんだり、自然に笑ったりすることができるようになるのです。何物にも変え難い人生の喜びを取り戻すことができます。



 

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