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ブログ : ドイツ式入れ歯・テレスコープ義歯 3ページ目

コーヌステレスコープ義歯  症例 下の奥歯がなくて嚙めない!    江ノ電 鵠沼駅 入れ歯が得意な歯科医院

あらやしき歯科医院に来院された時は、
「左下のブリッジが折れてはずれたら、右下の奥歯がすごく痛くなって食事ができない」
という状況でした。
arayashikikonus001-1.jpg左下は金属製のブリッジが真ん中で折れてしまっています。
模型診査をした結果、噛み合せが悪く(スピーの湾曲が強すぎる)無理なちからが常に掛かっていたことによる金属疲労が原因だと思われます。
kougouwannkyoku.jpgのサムネイル画像 長いこと無意識ながら、金属が破断するほどの過大な負荷がかかっていたのでしょう!
arayashikikonus001-2.jpg左側のオーバーロードが解消されて、今度は右側の遊離端ブリッジに大きな負担が掛かり、右下の第一大臼歯が歯根破折しました。「痛い!」はこれが原因です。

遊離端ブリッジとは?
連結されたブリッジ本体の外側に力が加わる場合を遊離端ブリッジと言います。加わった力に近い方の支台歯は圧迫され、遠い方は牽引されます。
ブリッジに力(K)が加わるとP2を回転中心として、ブリッジ全体を傾斜させるような回転モーメントが生じます。P1には、Kに拮抗する力が生じます。
Prothetik 3-65 K.H.Korber.jpgテコの原理で、P1とP2の間の距離が長いほど必要な抗力は小さくなります。
Prothetik 3-66 K.H.Korber.jpgつまり今回は「支台歯間の距離が短いためにテコの支点となる歯が負担過重で壊れてしまった」ということです。

さらに模型の分析を進めると、
konus001-3.png左右の奥歯の高さが違っていることがわかります。体の軸に対して噛み合せの平面が斜めになってしまっています。
お口の中は、正面観だけを見るときれいで問題なさそうですが・・・
konus001-4.png
  •   下顎の左右の大臼歯がなくなってしまった
  •   下顎前歯のセラミックが欠けてしまっている
どこで噛めばよいのかわからない、顎の位置が安定しない状態になってしまいました。
「嚙めない・食事ができない!」の原因です。
 
診査・診断の結果を踏まえた話し合いによって、いくつかの入れ歯の種類の中から
「コーヌステレスコープ義歯による咀嚼機能の回復を行う」という治療計画になりました。

コーヌステレスコープ義歯
噛み合せの平面のアンバランスを解消し、全体がシッカリと噛むように作製します。
konus001-5.pngkonus001-6.pngkonus001-7.png  「ふらつかない・はずれない・何でも噛んで食べられる」ドイツ式の義歯が完成しました。
快適なつけ心地でしゃべると浮き上がるということはありません。しっかり嚙んでなんでも食べられます。
金具が見えないので、他者には入れ歯だと気づかれません。入れ歯を使っていることは、メンテナンスする歯科医師と患者様ご本人にしかわかりません。

初めての入れ歯ですが「食べられないものはない。食事で困ることはない」と、はっきりとした発音でコメントして頂きました。

咀嚼能力が低下すると食品多様性が低下し、タンパク質低栄養という栄養失調になります。その結果、フレイルが進行しサルコペニア・ロコモティブシンドロームという深刻な状況になりかねません。
何でも噛んで食事ができる状態に回復することは、全身の健康の保持増進にとても重要です。

リーゲルテレスコープ義歯  症例 バネ式の部分入れ歯が合わない!  神奈川県藤沢市片瀬の歯科 あらやしき歯科医院

あらやしき歯科医院に来院された時は、
「左下の部分入れ歯が合わない。食事ができない。しゃべっていると浮いてきてしまう」
という状況でした。
歯にバネの金具が掛かって、一目で入れ歯だとわかってしまいます。
arayashiki riegel001-01.jpg「奥歯を失ってから何度も入れ歯を作り直している。ずっと定期的に歯科医院に通い、歯石除去と入れ歯の調整を繰り返してきた」らしいのですが、かみ合わせの違和感が強く、そのことを前医に伝えると「何度も歯を削られて歯が短くなっていくようで怖くなった」との事でした。
 
模型診査をした結果、噛み合せが悪く(義歯の側方咬合湾曲のカーブが逆になっている/逆モンソン・義歯の大臼歯が咬合接触していない)噛むときの顎の位置が不安定になってしまっています。
kougouwannkyoku.jpgのサムネイル画像 クラスプ式の義歯は、維持歯への力の集中が避けられない。バネはフレキシブルなので、義歯が動いてしまう。安定しない・義歯が動くと歯ぐきが擦れて痛い・維持歯も揺すられてダメにしてしまう。
temporary denture K.H.Korber.jpgだから、食事をすると痛い。人とお話しするときは入れ歯をはずす。という事態になってしまいます。
その結果、義歯で噛むと痛いので、咬まないように入れ歯を削ってしまったのでしょう。奥歯が咬まない状態にしてしまったので前歯に負担が掛かり、かみ合わせの違和感が消えないのだと思われます。
arayashiki riegel001-02.jpg診査・診断の結果を踏まえた話し合いによって
「リーゲルテレスコープ義歯による咀嚼機能の回復と義歯の安定化を図る」という治療計画になりました。

リーゲルテレスコープ義歯
維持歯を入れ歯全体で覆って歯を固定します。さらに、かんぬきを使って入れ歯を歯に固定します。
鍵を掛けてしまえば、おしゃべりしてる途中で浮いてきたり、人前ではずれてしまうような事態を避けられます。
arayashiki riegel001-03.jpg噛み合せの平面のアンバランスを解消し、全体がシッカリと噛むように作製します。
arayashiki riegel001-04.jpgarayashiki riegel001-05.jpg入れ歯のバネがなくなり、入れ歯を使っている感じは全くしません。
arayashiki riegel001-06.jpg「ふらつかない・はずれない・何でも噛んで食べられる」ドイツ式の義歯が完成しました。
快適なつけ心地でしゃべると浮き上がるということはありません。しっかり嚙んでなんでも食べられます。
金具が見えないので、他者には入れ歯だと気づかれません。入れ歯を使っていることは、メンテナンスする歯科医師と患者様ご本人にしかわかりません。

先日も「大きく口を開けられるようになった。思い切り(趣味の)歌を歌えるようになった」と、とびっきりの笑顔で報告して頂きました。とてもよろこんでいただいて、私たちもうれしく思います。
 
咀嚼能力が低下すると食品多様性が低下し、タンパク質低栄養という栄養失調になります。その結果、フレイルが進行しサルコペニア・ロコモティブシンドロームという深刻な状況になりかねません。
何でも噛んで食事ができる状態に回復することは、全身の健康の保持増進にとても重要です。
 


 

嚙める 外れない 快適な総入れ歯 上下顎同時印象法 総義歯  藤沢の歯医者

日本の一般的な総入れ歯とは全く違ったコンセプトの総入れ歯です

総入れ歯は安定がむずかしく、
「痛くて固いものは食べられない」
「口を開けただけで入れ歯が落ちてきて人前で話をするのが恥ずかしい」
そんな経験をしてませんか?
たしかに総入れ歯の安定は難しいですが、うまくいけばほとんどなんでも食べられる生活も期待できます。口を開けて笑うことができます。
そんな入れ歯を作るために
1.ナソロジー(顎咬合学)
2.日本古来の木床義歯
3. Dr.Strack(ドイツ・チュービンゲン大学)の総入れ歯

といった、学問や体系をまとめてIPSG代表稲葉繁先生が考案したのが「上下顎同時印象法による究極の総義歯」なのです。
 
1.ナソロジー(顎咬合学)
すべての歯科治療に共通する基本概念です。
とても簡単にいうと「顎が自然に閉じたい位置(中心位)と歯の咬みたい位置(咬頭嵌合位)をできるだけ一致させる」ということが重要です。ここにズレが生じていると様々な疾病・トラブル・不快症状が発生します。
 
2.日本古来の木床義歯
世界最古の総入れ歯
実は世界最古の入れ歯は日本で作られていたのです。紀伊・和歌山の願成寺の仏姫が使用していた木床義歯で、1500年代に作られたものです。
mokusyou.jpgこの入れ歯は、ツゲ(黄楊)の木を削って彫ったものです。奥歯がすり減っていることから、実際に使用されていたと思われます。日本の伝統的な仏像彫刻の高度な技術が応用されています。ちなみにヨーロッパでは、総入れ歯が実用化されたのは1800年代になってからです。
では、入れ歯安定剤も何もない時代にどのようにして痛くならない使える入れ歯を作製したのでしょうか?
その製作方法のカギは、蜜蝋を温めて軟化し一塊で口に入れて、お口の中の空洞の形のすべてを一塊で印象採得・型取りするものです。“一つのものを二つに割るからまた一つに戻る。” ちょうどハマグリの貝合わせ遊びのように。二枚貝はもともと対だった貝殻としか組み合わせることができないのです。
現在一般的な総入れ歯製作法は、上下を別々で型取りをして上下を別々に製作し最後に合わせようとします。しかし、もとが別々のものを一つに合わせるのは至難の業です。
 
3. Dr.Strackの総入れ歯
もともと、歯並び・歯列は、外側の唇や頬の筋肉の圧力と内側の舌の圧力のバランスの取れた位置に出来上がります。
Strak Low 003.jpgシュトラックデンチャーの基本は、“歯を失っても筋肉や軟組織の均衡状態は変わらないので、天然歯と同じ場所に人工歯を配列することが最もよい。”ということです。さらには、軟組織の力関係を型取りに現して筋肉のサポートを受けて入れ歯が動かないようにする、筋肉で支える入れ歯にすることが重要です。
現在一般的な入れ歯の製作方法は、Dr.Gysiの歯槽頂間線法則に基づいて製作されます。しかし、吸収した骨に合わせて作るため、もともとの位置と全く違うところに歯が並び、小さすぎて合わないものしか出来上がりません。
また、ふくらみを失った口元は、とても年齢を感じさせます。 Dr.Strackの義歯は、筋肉のサポートを得るために失った骨や歯ぐきも再現するので、見た目の印象が若返ります。


doujiimp002.png顎の咬みたい位置で、まわりの頬や唇まで一塊で口の中全体を型取りして、それを二つに割ります。

FD UL.jpg
だからまた一つに戻るので、しっかり嚙めるようになります。

FD UL002.jpg
周囲軟組織のサポートを考慮した形態に仕上がり入れ歯が安定します。
 
他にもイボカップシステムやオーソシットなど、様々な技術と知識を集約し隅々まで細心の注意を払って作製する機能的な総入れ歯を体感してみませんか?

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