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お口の疾患の発症と予防に関係する食事と栄養 ―歯科栄養学―DENTAL NUTRITION

栄養学は、全身の健康と密接に関係する重要な要因の一つです。十分な栄養を摂取し、バランスのとれた健康的な食事を実践するためには、しっかりと噛めるお口の状態が必須となります。病院や施設で栄養士の栄養指導を受けたとしても、十分な咀嚼機能を保っていなければ、絵に描いた餅になってしまいます。
健康を保持・増進するための栄養学の実践には、
・十分な栄養の知識
・しっかり噛めるお口
この2つの要素が不可欠です。
「しっかり噛めるお口」への機能回復、歯科補綴学的なアプローチは、他の様々なページを参照してください。
ここでは、「十分な栄養の知識」を元に「しっかり噛めるお口」を保持・増進するために、世界保健機関(WHO)がまとめている、お口の疾患を予防し、歯を守るための栄養学の知見について紹介します。

口腔疾患の病因と予防における食事と栄養の役割
1. タンパク質低栄養は、歯周病を悪化させる。
2. 抗酸化物質(ビタミンC, β-カロチンとビタミンE)は、歯周病の予防因子である。
3. ビタミンB群欠乏症は、舌炎、口唇炎と口角炎の発症に関与する。
4. 低栄養は、壊疽性口内炎の危険因子である。
5. ビタミンCは、口腔がんの予防因子である。
6. やけどするほど熱い飲食物と炭火焼の食品は、口腔がんの危険因子である。
7. 全粒穀物、野菜とくだもの(特に柑橘類)は、口腔がんの予防因子である。
8. ビタミンA, ビタミンDおよびタンパク質の欠乏は、エナメル質減形成と唾液腺萎縮の危険因子である。
9. クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、蓚酸および炭酸など食品あるいは飲料中の酸は、酸蝕症の危険因子である。
10. 砂糖は、齲蝕症(虫歯)の最大の危険因子である。
11. フッ化物(フッ素)は、間違いなく虫歯を減少させる予防因子である。
12. チーズと牛乳(カルシウム、リンとカゼイン)は、虫歯の予防因子である。
13. 全粒穀物、ピーナッツ、硬いチーズとチューインガム(砂糖なし)は、虫歯の予防因子である。

Moynihan, Paula J. "The role of diet and nutrition in the etiology and prevention of oral diseases." Bulletin of the World Health Organization 83.9 (2005): 694-699.

大きな病気にかからない人生を歩むため、よりよい健康状態を目指すため、には
―栄養・運動・休養・歯の健康―
に留意する必要があります。これらの要素はそれぞれリンクしています。栄養の観点からお口の健康についても考えてみましょう。
 
ちなみに、砂糖を含む糖類の単独摂取は肥満と虫歯の危険因子である。ということで、
世界保健機関(WHO)は、生活習慣病予防の観点から、糖類単独摂取によるエネルギー量を総エネルギー摂取量の5%以下にすることを推奨しています。
 
ちょっとだけでも、生活習慣を見直す機会にしてみてくださいね。






じつは「命に係わる」病気―歯周病

全身的な健康とお口の健康は密接につながっています
お口の健康状態に気を配らないということは、くさい口臭を放つだけでなく、ガン、心臓病、脳卒中、糖尿病やその他のさまざまな病気になる可能性が高くなります。
oral_health_for_total_health.jpgお口の健康状態が悪いと心臓病を発症するリスクは2倍になります。脳卒中は3倍です。脳への影響でいえば、歯周病と歯の喪失が認知症のリスクを高めます。ガンや糖尿病のリスクも高まります。お口の細菌が口腔ガン・頭頸部ガンの原因になります。それだけではなく、ハーバード大学の研究で、肺ガンは36%、腎臓ガンは49%、すい臓ガンは54%それぞれのガンのリスクが増加するとわかりました。白血病などの血液のガンのリスクも30%増加し、その他ガン全体のリスクが14%高くなります。歯周病の人は糖尿病になるリスクが93%も上昇するという報告もあります。他にも、早産・低体重児出産、肺炎などの呼吸器疾患やEDなど……お口の健康への関心が低いと、本当にさまざまな全身の――深刻で人生を左右するような――病気を引き起こし、悪化させてしまいます。気付かないほどゆっくりと時間をかけて、これまで当たり前だったはずの日常生活を脅かすために忍び寄ります。
 
つまり、歯周病を放置して悪化させてしまうと、、、ガンになりやすい・血管が詰まって脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすい体になってしまいます。それは「命に係わる」ということにほかなりません。
 
病気になってから治療をすることは可能だと思います。しかし、病気の爪痕は確実に残ります。病気になる前の健康的で、なんの煩わしさも感じない、元々の当たり前の状態には決して戻ることはないでしょう。お口から全身の健康を守り、安心した毎日の生活を守るために適切な行動をしていきましょう。






IPSG Scientific Meeting2015~学術大会~にて、講演発表させていただきました

今回のテーマは「The LEGEND」。ドイツの本物の歯科治療技術を日本に持ち帰り、言葉だけでなく、実際に30年、40年と変わらず患者様の口腔内で機能し続けている義歯や治療を目の前で見せてくれる稲葉繁先生。現代の歯科治療の基礎である金属焼付けポーセレンを開発し、半世紀にわたって世界で活躍されている技工士の桑田正博先生。牧師で心の病気のカウンセラーでもある関根一夫先生。など、正に伝説の素晴らしい先生と共に講演登壇させていただいたことを、とても光栄に思います。
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会場は、日本歯科大学の九段ホールです。
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日々の治療を通じて得た知見をまとめて発表いたしました。
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日常臨床を未来の治療に役立てるために、向上心をもって勉強・活動していきたいと思います。
発表後、質問してくださったり、お声掛けいただいた多くの先生・技工士さんに、大変感謝しています。ありがとうございました。


IPSG学術大会の後は、毎年恒例の望年会(IPSGでは、忘年会ではなく、望む年の会と呼んでいます!)です。
会場はホテルエドモント。稲葉先生のあいさつもそこそこに、盛り上がりました。
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桑田先生にもアドバイスをしていただきました。
ありがとうございました。
 
すべては最善の治療を提供するために、それぞれの熱い思いがギュッと詰まったとても素晴らしい一日となりました。
 

ジャーマンクリスマスディナー2015

ドイツ商工会議所のクリスマスパーティー (German Christmas Dinner 2015)に参加してきました!
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IPSGの稲葉先生と稲葉歯科医院の皆様にご一緒させていただいて、コンラッド東京に

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フルコースとドイツワインを楽しみ

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素敵なクリスマスの生演奏も

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なんと、抽選会で時計が当たりました!

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美味しい食事と楽しい時間を尊敬する先生方とすごすことができました。いつもと違って、こういう時だからこその貴重なお話を伺うこともできたりして、至福の時となりました。
 
日頃は稲葉先生がドイツで学び50年培ってきたテレスコープシステムを教えていただいています。ドイツの入れ歯は、しっかりした良いものを作って修理しながら長く使うように工夫されています。
そんなドイツの文化や雰囲気に触れることができる貴重で有意義な時間でした。
 
これからもドイツの歯科や考え方、文化を学んで、最善の治療に磨きをかけていきたいと思います。ありがとうございました。

大人のための歯科矯正

最近はテレビの画面でも、歯列矯正をしているタレントさんやアスリートをよく見かけるようになりました。
 
やっぱり、歯並びの良いきれいな歯で自信を持って微笑むと、とても感じが良いものですね。健康の観点からも、整った歯並びにはとても大きなメリットがあります。
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なぜ、悪い歯並びを歯科矯正治療できれいにしたほうが良いの?
 
  1. きれいな歯並びによって笑顔に自信を持ち、精神的な健康をサポートします。歯を見せて笑うと「好感が持てる」「親近感がわく」などの好評化が得やすくなります。笑顔には社会的に大きな役割を担う効果があります。歯を見せない笑顔は「心から笑っていない」と、受け取られる場合があります。
  2. 歯並びを整えて顎の位置やゆがみを調整することで、顎関節症の治療や予防ができます。
  3. かみ合わせを改善することで、機能的に歯が壊れにくくなったり、頭痛や肩こりなどの全身の影響を軽減させる効果が期待できます。
  4. 歯並びがきれいに整列することによって、歯のクリーニングがしやすくなり、虫歯や歯周病になりにくくなります。大切な歯を失うリスクを軽減できます。 

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今さら矯正治療するなんて・・・いえいえ、遅すぎることはありません
 
まだまだ日本では、残念ながら歯科矯正は子供や未成年者が受けるものと思われています。
それでも、矯正治療を始めるのに年齢が遅すぎるということはありません。
 
むしろ幼少期に治さなかったために起きてしまった歯や顎の問題を解決するには、歯科矯正治療でしか解決できない場合がたくさんあります。
 
歯列が悪いと……かみ合わせがうまくいかないことで様々な問題の原因となり……健康を大きく害することさえあります。
 
徐々に、それでいて確実に、大人の歯科矯正が社会的に受け入れられるようになってきています。
 
当院では、かみ合わせと顎機能を治療する非抜歯・機能矯正を行っています。
精神的・機能的な健康のために、まずは相談の予約をすることが大切です。





 

医師・歯科医師・獣医師のための学会セミナー

インプラントセミナー
―獣医師・歯科医師のための理論と実技―
日本総合口腔医療学会のインプラントの研修会に参加してきました。
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当院では現在、インプラント埋入後の管理の問題から、インプラント治療は行っておりません(インプラントとは参照)。しかし「行わないから、勉強しない」という姿勢ではいけないと思っています。医学が進歩し、現在私が感じているインプラント治療に関する懸案事項が、いつか解消されるかもしれません。なので、インプラントセミナーに参加してきました。
 
今回のセミナーはインプラント入門セミナーです。しかし、日本総合口腔医療学会は、医師・歯科医師・獣医師や医療従事者が幅広く参加する学会です。
 
インプラント治療は大学病院時代にたくさん勉強し、経験してきました。
 
救命救急医による外科処置を行う際の全身管理の注意点の講義や最新の抗生物質の考え方・使用方法など、新鮮な情報を得ることができました。インプラント施術方法やそこに関係する解剖学は、私には再確認といった感じでした。
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医科と歯科の先生が講演する奥行きのあるセミナーだったと思います。
そして、今回、獣医師の先生が大勢参加していました。
 
獣医師の世界、ペットにもインプラント処置を行う時代がすぐそこまで来ているようです。折れて失ってしまった犬歯を取り戻す。。。といった感じでしょうか?
 
歯科ではインプラント手術や歯周形成外科処置などで骨造成材や骨補てん材を用いる機会がありますが、獣医師さんも骨補てん材にとても興味があるようでした。また、PMTCのニーズも高いようです。
 
いつもながら獣医師の皆様には敬服いたします。獣医師は、眼科、耳鼻科、内科に外科や麻酔科など、すべてを一人でカバーしています。さらには、主訴を伝えられない患者の治療をしながら、親(飼い主)と円滑なコミュニケーションをとらなければならないという意味で、小児科の要素もあることでしょう。それに歯科までも…本当にすごいことだと思います。
 
そんな幅広い知識を持ち、勉強熱心な先生たちと一緒に勉強し、貴重な情報交換ができるユニークで様々な知識が得られるセミナーでした。
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ブレーンベース社のマイティス アローインプラント システム
久しぶりの実習でしたが、感覚は衰えないものだと実感してしまいました。
大変有意義なセミナーでしたが、インプラント治療に対する懸念が払しょくされたわけではないので、当院でインプラントを扱うのは、まだ先のことになるでしょう。引き続き情報収集したいと思います。

湘南T-サイトで心をひらく

藤沢市辻堂にある湘南T-SITE/湘南蔦屋書店で行われた、ジェームス・スキナー氏による
『心をひらく-あなたの人生を変える松下幸之助』
発刊記念トークショー&サイン会に参加してきました。
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ジェームス・スキナー氏は、「7つの習慣」を日本に紹介して150万部を超えるベストセラーを生み、数々の著書を持つ有名な経営コンサルタント・人生哲学の教育者です。(言い表すのが難しいので、間違っていたらごめんなさい)
松下幸之助さんは、言わずと知れた松下電器(現Panasonic)の創業者・偉大な経営者です。
 
この本との出会い。それはある日、湘南蔦屋書店をブラブラしていて偶然に目に留まった一冊が、この『心をひらく』でした。
どちらも稀有な素晴らしい人物だということは、一応、前々から存じ上げていました。しかし、
ジェームズ・スキナーと松下幸之助・・・どんなつながりが?
しかも
PHP研究所から・・・なんで?
すぐに手に取って、レジに向かってしまいました。
 
内容はとても読みやすく、わかりやすく、スキナー氏自身が若かりし頃に松下幸之助哲学から多大な影響を受けて得られたものや松下語録やエピソードから得られる教訓・人生哲学の解説を著者の経験を踏まえて優しく伝えています。自分は、身が引き締まる思いと心が軽くなり視点が定まるような思いとで、集中して結構アッという間に読み進めてしまいました。
 
数日して、そろそろ読み終わるし、と思って新たな本との出会いを求めて湘南蔦屋書店をブラブラしていたら、今度は店内の宣伝モニターに目が釘付けになりました。なんと・・・
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ジェームス・スキナー氏トークショー&サイン会開催。それも翌日。すぐにレジに行って参加申し込みをしてしまいました。
以前なら気付かなかったかもしれません。興味も持たなかかったかもしれません。これまた少し前に読んだ、より深く読書をするための読書術が書かれた本に「気に入った本の著者には積極的に会いに行くべし。著者に会い、話を聴くとより本の内容が頭に入る」といった内容を読んでいたので反応したんだと思います。
 
トークショーは、スキナー氏の若かりし頃は、ツタヤがなかったので本屋めぐりが大変だった。といった冗談から、本の内容や今回の本には載せていない松下幸之助エピソードや本では一瞬しか触れられていない根源の話などなど、笑いあり情熱ありでとても楽しく充実した時間でした。なかでも「心をひらいてるつもりだけど上手く表現できない」という趣旨の質問に対して、「下手にやればいい。皆さんは上手にできないからやらないというけれど、最初から上手にできることなんてない。だから(何事も)下手にやればいいんだよ」と、答えていたのが印象的でした。なんだか文字で書くと至極当たり前のこと、と思いますが、目の前で改めて語られると「当たり前のことができているのか?」反省と決意が湧き上がってくるように感じました。
大人気のスキナー氏には熱烈なファンの方が多いようで、中には関西からわざわざお話を聴きに来た方もいらしたようでした。
 
わずかな時間でしたが、本を読んでわかったつもりでいたことがより深く理解できたり、非言語コミュニケーションの重要性というかスキナー氏のもつパワー・全身で発する心のメッセージを受け取ることができたように思います。
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まずは自分の心をひらいて、社会に奉仕・貢献していくことを改めて誓う夜となりました。

一生、自分の歯で活き活きすごすための簡単なコツ

定期的メンテナンスプログラムの重要性
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  • 「定期メンテナンス受診」:定期的に歯科医院でメンテナンスを行っている人は、ほとんど歯を失うことなく、80歳をこえても平均26本の歯が残っています。
  • 「歯磨き指導を受けた人」:ひとたび歯磨きの仕方を習ったからといって、歯科医院でメンテナンスを行わなければ、歯は失われていきます。
  • 「症状のある時だけ受診」:何か症状があった時だけ歯科医院に行く人は、40歳過ぎから徐々に歯を失い始め、80歳ではほとんど無くなってしまいます。

生涯にわたって自分の歯を維持し、十分な栄養を採って、食事を楽しんで、活き活きと日常を送るためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが、とっても大切です。
 
生涯を美しい歯きれいな息素敵な笑顔ですごせるように、いつでも全力でサポートします!







その歯科治療用器具はすみずみまで滅菌されていますか?

滅菌とは、「病原体・非病原体を問わずすべての微生物を死滅、または除去すること」ですが・・・。
皆様に、安心して歯科医療を受けてもらうための最も重要な条件のひとつに、徹底した衛生管理があげられると思います。
しかし、従来の一般的な歯科用オートクレーブ滅菌器(高圧蒸気滅菌器)はクラスNです。歯科用器具は中部が空洞のものが多いのですが、クラスN滅菌器では器具の表面だけしか滅菌できません。つまり、中空のものは内側を滅菌できないのです。切削器具やバキュームチップなどは中空です。見た目は清潔でも細菌やウイルスが死滅できていない歯科用器具を使用されたら、水などと一緒にお口に中に菌が入ってくる可能性があります。そう考えたら非常に恐ろしいと思いませんか?
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中空・多孔な器具のすみずみまで滅菌できる最も安全性の高い「世界基準」の高圧蒸気滅菌器
当院で採用している「リサ」は、小型滅菌器のヨーロッパ基準(EN13060)で最も厳しい基準をクリアしたクラスBオートクレーブです。
クラスBオートクレーブは、「あらゆる種類の被滅菌物を安全に滅菌することができる」とされています。
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  • 真空と蒸気の注入を交互に繰り返すことにより、残留空気を抜き、高温蒸気を細部まで行き渡らせます
  • 乾燥工程は、約80℃の温度で行われるため、タービンやコントラアングルといったハンドピースを痛めることなく滅菌でき、完全に乾燥した状態で終了します
 
イタリアのW&Hステリライゼーション社のクラスBオートクレーブ「リサ」は、患者様にも医院にも、より清潔で安全な医療環境をもたらしてくれる、医科の基準に準拠した小型高圧蒸気滅菌器です。
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さすが、ヨーロッパは安全に対するコンセプトがシッカリしています。
W&H(Dentalwerk Burmoos)社は、1890年創立の世界的な歯科用製品メーカーです。







江戸時代の健康観と歯

「人は歯をもって命とする故に、歯といふ文字をよわい(齢)ともよむ也」
 
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江戸時代に貝原(かいばら)益軒(えきけん)は『日本歳時記』という書物のなかに、このように記しています。貝原益軒という人物は、健康(養生)についての指南書・実用書である『養生訓』の著者で、福岡藩の儒学者であり医者(本草学者)でした。

この「人は歯をもって命とする故に、歯といふ文字をよわい(齢)ともよむ也」という言葉の意味は、『人にとって健康に生きていくためには、歯で食べ物をよく噛むことが何より重要で、だから「齢(よわい)」という字に「歯」が使われている』ということです。
この言葉は、歯は命に直結する大切なものであることを教えてくれています。昔から「よく噛んで食べなさい!」と言われてきたと思います。よく噛んで食べるということが体に良いということは、なんとなくイメージできるのではないでしょうか?
 
どうやら江戸の昔から、よく噛んで食べる生活習慣を身に着け、それを生涯維持していくことこそ、健康長寿の秘訣のようです。
 
さらに『養生訓』では、健康の3要素は運動・栄養・休息である。とし、飲酒の仕方や喫煙の害について説き、口腔衛生の重要性を唱えています。今も昔も変わらず健康の普遍の原理・原則。だけど、今も昔も実践が難しいということでしょうか?(真の健康を手に入れ、維持するための4つの要素参照)
ちなみに、江戸時代の平均寿命は大体40歳くらいといわれています。徳川将軍15名の享年は平均51歳です。貝原益軒は85歳(1630~1714年)。この『養生訓』を出版したのが83歳。亡くなる前年の84歳まで執筆活動を続けました。『養生訓』を自ら実践し(歯のグラつきや欠損もなく)、その生き方で健康長寿を全うする術を証明しています。
 
そんな貝原益軒の有名な格言「知って行わざるは、知らずに同じ」は、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
さらには「養生の要は、自らあざむくことを戒めて、よく忍ぶにあり」とも言っています。
 
先人の言葉、知恵や教えを生かして、健康な身体で長寿を目指したいですね!







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